雅子さま、療養10年目 伝わらぬ「適応障害」の病状

朝日新聞デジタル
2013年1月8日03時00分
雅子さま、療養10年目 伝わらぬ「適応障害」の病状
【島康彦、北野隆一】
「適応障害」とされる皇太子妃雅子さま(49)の長期療養が昨年12月で10年目に入った。
今年6月で皇太子さまとの結婚20年を迎えるが、ほぼ半分を療養に費やしたことになる。
雅子さまの病状と治療はいま、どうなっているのだろうか。

■都内外出は30件
1月2日に皇居であった新年一般参賀。両陛下や皇太子さまらとともに、
雅子さまは午前午後の計5回登場し、笑顔で手を振った。
最近、こうした雅子さまの姿を目にする機会はまれだ。宮内庁が昨年に正式発表した雅子さまの都内への
外出は約30件で、大半は皇室関係のいわば「内輪」の行事だ。大勢の人前に姿を見せたのは
東京・国立劇場での雅楽鑑賞や、年末にあった天皇誕生日の一般参賀ぐらい。
療養前は年に数回こなしていた地方訪問も昨年は静養のみで、公務での地方訪問がないのは8年ぶりだった。
■具体的説明なし
雅子さまは2003年12月に「帯状疱疹(ほうしん)」と診断され、治癒後も体調不良を理由に静養が続いた。
04年7月、宮内庁は「適応障害」と診断名を発表。要因となるストレスについては
「皇太子妃という特別な立場からくる苦労」「公私の区別をつけにくい多忙な生活」などをあげた。
その2カ月前には皇太子さまが会見で「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあった」と発言。
雅子さまの療養は長期化をたどる。
宮内庁は雅子さまの誕生日(12月9日)などに合わせて「東宮職医師団」の見解を文書で発表してきた。
ほぼ毎回、「着実に回(快)復している」「体調に波がある」と表現されてきたが、
昨年の見解ではそれらの記述もなくなり、病状の具体的な説明はないままだ。
これまでの見解について複数の精神科医に意見を聞いた。
「いまどういう病状にあって、今後どんな治療をしていくのかが分からない」との指摘もあった。

■私的活動から幅
皇太子ご一家の医療は、日常的には東宮侍医長ら東宮侍医が担う。このうち雅子さまの治療を担当する
「東宮職医師団」は、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長の大野裕医師が中心となっている。
病状と治療はどうなっているのか。大野医師に取材を打診したが、治療に支障があるなどとして
応じてもらえなかった。
これまでの医師団見解では治療について、「環境に働きかけてストレス因子を軽減することが最も重要」とした。
さらに、カウンセリングや薬物療法などを実施したり、「ライフワークになるような活動」や「私的な活動」から
活動の幅を広げたりして、公務復帰を目指すという。
私的な活動の一例は、昨年秋、都内の親族宅であったハロウィーンパーティー。
皇太子ご夫妻は愛子さまとお忍びで数時間参加し、雅子さまはとても楽しそうな様子だったという。

■診断に疑問の声も
だが、公務復帰までには改善が進まない状況に、専門家からは診断や治療方針に疑問の声もあがる。
岩波明・昭和大医学部教授(精神医学)は「治療が年単位で続く場合、適応障害とは言えず、
うつ病などを疑うのが普通だ」と語る。精神科医の香山リカ・立教大教授も
「置かれた環境との摩擦で心身が健全じゃない状態で、慢性化する場合は他の診断名になることが多い」と述べる。
一方で「適応障害でも本当につらいものは症状が重いし、不安や抑うつが慢性化する症例もある」という
精神科医もいる。
宮内庁関係者によると、雅子さまはある行事に出席するため他の行事を控えて念入りに準備や調整することもあり、
出席自体が直前に変更になることもあるという。別の関係者は「雅子さまは生真面目過ぎる。
もっと肩の力を抜いてもいいのではないか」と言う。
皇太子ご一家を支える東宮職のトップ・小町恭士東宮大夫は、
「妃殿下は快方に向かっている。長い目で温かく見守ってほしい」と話す。

     ◇
〈適応障害〉 米国精神医学会作成「精神疾患の診断・統計マニュアル」が「ストレス因子に反応し、
情緒的・行動的症状が出現すること」と定義。「うつ病や不安障害などの他の精神疾患の診断基準は満たさないが、
著しい苦痛を伴う」としている。05年の東宮職医師団見解は、慢性のストレス因子が原因の場合は
長期間続くことがありうるとしたうえで、雅子さまの病状がこれにあたると位置づけた。
http:// digital.asahi.com/articles/TKY201301070416.html

  • 最終更新:2017-07-08 13:38:16

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