新嘗祭

2017.11.23 16:00
たいまつの明かりに照らされ、天皇陛下「別のお姿」…きょう新嘗祭 過酷な儀式どのように執り行われるのか
新嘗祭に臨まれる天皇陛下。陛下が80歳の傘寿を迎えられたことを機に新嘗祭の様子が公開された=平成25年11月23日(宮内庁提供)
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23日は国民の祝日「勤労感謝の日」だが、その年の収穫を神々に感謝する戦前の大祭日「新嘗祭(にいなめさい)」から
引き継がれたことは意外と知られていない。
連合国軍総司令部(GHQ)が神道の神話や祭礼、儀式を起源とする祝日の廃止方針を示し、
昭和23年に施行された祝日法で「新嘗祭」の名が消えたためだ。
一方、皇居の神嘉殿(しんかでん)では、今年も天皇陛下が新嘗祭に臨まれた。
「宮中祭祀(さいし)の中でも最も重要で、かつ過酷な儀式の一つ」(宮内庁幹部)である新嘗祭とは、
どのように執り行われるのか。(社会部 伊藤弘一郎)

新嘗祭の「夕(よい)の儀」が始まるのは23日午後6時。白の絹でできた伝統の「御祭服(ごさいふく)」を身にまとった陛下が、
綾綺殿(りょうきでん)から儀式が行われる神嘉殿に移られる。
御祭服は新嘗祭でのみ陛下が身につけられる装束。その重さから、着替えられるのに数十分かかるという。
たいまつの明かりのみが照らす中、白い装束姿の陛下が神嘉殿までの「御拝(ごはい)廊下」を進まれる様子について、
祭祀をつかさどる掌典職の1人は「これから国のため、国民のために祈るという決意や使命、お気持ちが伝わってくる。
地方ご訪問などで国民と触れ合われるときとは、全く別のお姿」なのだと話す。
儀式中は側近らも神嘉殿に入ることは認められず、陛下と神事を手助けする2人の采女(うねめ)のみ。
そこで陛下は全国から献上されたり、皇居で収穫したりした米と粟の新穀、新米から作った酒などを神前に供えられる。
続いて神前に拝礼し「御告文(おつげぶみ)」で一年の五穀豊穣(ほうじよう)と国家、国民の幸福を祈られる。
さらに、供え物を神々とともに食される「直会(なおらい)」に臨まれる。
最後に綾綺殿に控えていた皇太子さまが神嘉殿で拝礼され、陛下と皇太子さまが一緒に神嘉殿を後にされる。
夕の儀が終了するのは午後8時。同様の次第で午後11時から24日午前1時まで「暁(あかつき)の儀」が執り行われる。
儀式は各2時間ずつ、計4時間に及ぶ。
陛下は重く、動きにくい装束で、大半の所作を正座したまま行う。
このため新嘗祭が近づくと、陛下は御所でくつろぐときも、慣れるために正座のまま過ごされることで知られる。
それ以外にも「過酷」と評される理由の1つが気温だ。この時期、儀式の時間帯には10度を切るほど冷え込む年もあるが、神嘉殿には暖房がない。
「寒さだけでも相当、体にこたえる。今年84歳になられる陛下にとってはなおさらだろう」(宮内庁関係者)。
陛下の体への負担を考慮し、75歳の平成21年から暁の儀のお出ましを最後の30分間に、77歳の23年からは夕の儀でも同様に短縮された。
80歳の26年からは、暁の儀へのお出ましを取りやめられている。
ちなみに、昭和天皇は69歳で暁の儀へのお出ましをやめ、70歳で夕の儀も途中からとしている。
宮内庁によると、陛下が昭和天皇が暁の儀へのお出ましをやめた年齢になり、
同様の対応を勧めたのに対し「従来通り」を望む強い意向を示されたという。
心臓の冠動脈のバイパス手術などを経て、現在の形に落ち着いているが
「できることならすべてに出たいという気持ちは、今も変わっておられないだろう」(宮内庁関係者)。
現在も、掌典職のトップで儀式の一部を代行する掌典長から侍従を通じ「終了」の報告を受ける午前1時過ぎまで、陛下がお休みになることはない。
ある掌典職は「昨年8月のビデオメッセージでは『全身全霊』という言葉で象徴天皇の務めを表された。
新嘗祭に臨まれる姿勢は、それを体現されている」と話す。
来月1日の皇室会議を経て、陛下の譲位時期は31年春が想定される。このため、陛下が新嘗祭に臨まれるのは30年が最後となる。
http:// www.sankei.com/life/news/171123/lif1711230028-n1.html

  • 最終更新:2017-11-24 21:09:02

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