平成21年(2009年)1月7日 産経新聞

次代への名言

私の健康について皆が心配してくれてありがとう。
どうか今年もより年であるように希望します。(昭和天皇)

この言葉から約1年後、昭和64年のきょう午前6時33分、東京・吹上御所で昭和天皇は崩御した。
ちょうど20年前にもかかわらず、闘病の間の国民の祈り、
そして崩御当日の悲痛とあわただしさの記憶がいまなお鮮明に残っている人も多いと思う。
いまいちど、昭和天皇を偲び、考えるために筆者はある先人のことばを紹介したい。
「天下より視れば人君(天皇)程尊き者はなし。人君より視れば人民(国民)程貴き者はなし」―。
幕末の志士、吉田松陰の胸には、天皇と国民が同じように尊び合う世界が広がっていた。
また、司馬遼太郎は言う。
「マッカーサーが、天皇様に、『私は人間である』といってもらったのはきわめて政治的なことで、
史的真実からいえば、やはり神です。神であるがために、人民に無害でした。
天皇の日常は、今でもそうですが、いかなる神主より神主で、神に仕える祭事がじつに多く、
どんな神主より忙しいですね。少なくとも(平安時代中期の)摂関政治以降は、神もしくは神主である性格がより濃厚になった」
2人が説くところの象徴、それゆえの苦悩と悲劇を併せもった存在。
それが昭和天皇だった―と思えてならない。

  • 最終更新:2017-04-23 19:30:44

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