女性宮家創設?3

日本大学教授・百地章 『男系重視と矛盾する「女性宮家」』
2012.3.2 03:16 [正論]
「女性宮家」問題について、2月29日、1回目の意見聴取が行われた。
この問題については2月9、13の両日の衆議院予算委員会でも、
自民党の稲田朋美議員と下村博文議員が質問している。

≪画期的な野田首相の答弁≫
質問に対して、野田佳彦首相は「古来、皇位継承が男系で続いてきたことの歴史的な重みをしっかり受け止める」と答弁した。これは画期的といえよう。
従来の政府見解は、憲法第2条にいう「皇位の世襲」は「男系継承を意味する」というものであり、
これは憲法制定議会からの一貫した解釈であった。にもかかわらず、平成13年、突然、政府見解を逸脱し、
「男系でも女系でも構わない」と述べたのが、福田康夫官房長官である(拙稿「『皇位継承』の憲法解釈と『女系天皇』への疑問」『別冊正論』14号)。
しかし、これはその後、安倍晋三官房長官によって「男系継承の伝統を重視すべきだ」と修正され、今回の首相答弁に繋がった。
したがって、今回の野田首相答弁は重く、「女性宮家」創設問題も「男系重視」と矛盾するものであってはならない。

≪「女系」への道開く懸念あり≫
問題の発端は、羽毛田信吾宮内庁長官が野田首相に対して、陛下のご公務の負担軽減のためとして、「女性宮家」の創設を要請したことにある。
確かに、陛下の今回のご入院やお年のことを考えれば、ご負担の軽減は遅きに失した。
ただ、それが直ちに「女性宮家」に繋がるとは思われない。
まず、皇室にとって最も大事な祭祀(さいし)については、陛下のお考えを最大限尊重申し上げるべきである。
しかし国事行為については「代行制度」があり、皇太子殿下や秋篠宮殿下にお願いすることも可能である。
問題は国事行為以外の公的行為(象徴行為)であろうが、中には、国会開会式でのお言葉など極めて重要なものから、民間行事へのお出ましまである。
ご公務の増加は、主にこの民間行事へのお出ましによると思われるが、その場合、整理縮小は宮内庁の役割である。
そうした努力も不十分なまま、ご負担軽減のためと称して「女性宮家」を云々するのであれば本末転倒であろう。
「女性宮家」については、「陛下のご意向なしに、長官が発言するはずがない」との説もある。
しかしこれは「臆測」にすぎず、朝日新聞の岩井克己記者によれば、
羽毛田長官は「女性宮家の創設が陛下のご意向」であることを強く否定しているという(週刊朝日平成23年12月30日号)。
ちなみに、長官は女系天皇推進派といわれ、以前、男系維持のお考えを述べられた寛仁親王殿下に対して
「皇族は発言なさるべきでない」との言を吐いた人物である。他方、内閣官房参与に任ぜられた園部逸夫元最高裁判事も女系容認論者であり、
『皇室法概論』の中で「世襲は男系でも女系でも構わない」と主張している。
しかも、政府は、「私や皇太子の意見も」と述べられた秋篠宮殿下からさえお考えを聞こうとしない。
これでは、「初めに結論ありき」と言われても仕方がない。
しかも、最初に伝えた読売新聞によれば、宮内庁側は、女性宮家問題を陛下のご負担軽減だけでなく、
「安定的な皇位継承」や「皇位継承者の確保」のためと説明している(平成23年11月26日付)。
報道通りだと、女系推進派は「女系宮家」から「女系天皇」まで視野に入れており、
「皇位継承問題とは別」という説明はまやかしとなる。となれば、「女性宮家」の創設は「男系重視」の首相答弁と明らかに矛盾する。

 ≪旧宮家の男系男子孫を皇族に≫
「女性宮家」の創設に積極的な渡辺允前侍従長は、「皇統問題は次の世代に委ねて…」と述べている。
しかし、この「棚上げ論」も危険である。大多数の国民は、女性天皇と女系天皇の区別さえできておらず、
いざとなれば、人情として「お子様も皇族に」と、さらには「皇位継承権も」と言いだす恐れが十分にあるからである。
そもそも「宮家」は皇位継承の危機に備えるものであって、室町時代以降は「伏見宮」「桂宮」「有栖川宮」、
それに「閑院宮」の4宮家(世襲親王家)によって2千年に及ぶ皇統が支えられてきた。この4宮家から、
3方の天皇が即位されており、戦後、GHQの圧力の下、臣籍降下させられた旧11宮家は、これらの家系に属する。
となれば、将来にわたって陛下の「ご公務をお支え」し、「皇位の安定的継承」にも資する最善の方法は、
旧11宮家の男系男子孫による「宮家」の創設や「現宮家」の継承しかなかろう。
幸い、旧宮家には独身男子が9人、悠仁親王と比較的近い世代に属する未成年男子だけでも4人おられる。
女系推進派はいろいろ口実を設けて、これらの方々をあくまで排除しようとしている。
しかし、一般民間人なら誰でも良いが、皇統に繋がる由緒正しき方々が皇族となられることは
認めないなどといった主張がいかに異常か、なぜ気が付かないのだろうか。(ももち あきら)
http:// sankei.jp.msn.com/life/news/120302/imp12030203170001-n1.htm


女性宮家「一代限り」首相示唆 「ずっと続く話ではない」と男系堅持も強調
2012.3.12 21:11
野田佳彦首相は12日の参院予算委員会で、女性皇族がご結婚後も皇室にとどまれるよう
政府内で検討が進められている「女性宮家」の創設について「(女性宮家は)ずっと続く話ではなく、
まさに緊急避難かもしれない」と述べ、宮家の当主の地位を子の世代に継承しない「一代限り」とする可能性を初めて示した。
また「(皇位が)男系で続いてきたことも重く受け止める」と男系継承を堅持する意向も重ねて強調した。
女性宮家が世襲されれば2代目以降の「女系」当主の皇位継承権に議論が及びかねないと判断したとみられる。
女性宮家創設の議論が「女系天皇」を生み出しかねないとの懸念を踏まえ、旧皇族の皇籍復帰を求めた自民党の有村治子氏の質問に答えた。
首相は、女性宮家の創設について「大事な観点は天皇、皇后両陛下の公務のご負担を軽減することと、
皇室活動の安定性を維持することだ」と述べ、皇位継承問題と切り離す考えを重ねて強調した。
歴代の皇位についても「ずっと長い間、125代まで男系で続いてきた。その歴史的な重みをしっかり踏まえないといけない」と述べた。
一方、藤村修官房長官は男系と女系の違いについて「女系は、女性の天皇の子であっても、
その女性の子は…あ、違う」などと、しどろもどろになった。後ろから官僚のメモを渡されて
「天皇と男性のみで血統がつながる子孫が男系子孫。それ以外が女系」と答弁したが、
女性宮家創設の議論を取りまとめる立場にありながら皇室の基礎知識のなさを露呈した。
http:// sankei.jp.msn.com/politics/news/120312/plc12031221110010-n1.htm


女性宮家:有識者ヒアリング日程を発表
藤村修官房長官は19日の記者会見で、女性皇族が結婚後も皇族の身分にとどまる
「女性宮家」創設に関する有識者ヒアリングの日程を発表した。
第2回は今月29日で、山内昌之・東京大大学院教授=国際関係史(64)と大石真・京都大大学院教授=憲法学(60)から意見を聴取。
4月10日の第3回は皇位継承問題で男系維持を主張するジャーナリストの桜井よしこ氏(66)と百地章・日本大教授=憲法学(65)から意見を聞く。
4月23日の第4回は女系容認の笠原英彦・慶応大教授=日本政治史(55)と女性宮家創設に賛成の市村真一・京都大名誉教授=経済学(86)を招く。
藤村氏は記者会見で「具体的な提案をお持ちの方を中心に人選した」と述べ、踏み込んだ議論を進める考えを示した。
毎日新聞 2012年3月19日 19時41分
http:// mainichi.jp/select/wadai/koushitsu/news/20120320k0000m040019000c.html


「皇籍復帰は困難」民主議連の中井氏
2012.3.28 22:44
民主党の「皇室の伝統・文化を守る議員連盟」の中井洽会長は28日の総会で、旧皇族の皇籍復帰について
「果たして(国民に)理解されるのかという問題もある」と述べ、実現は難しいとの認識を示した。
総会では国学院大の大原康男教授が講演し、女性宮家創設が女系天皇誕生への道を開きかねないことや、
皇族方の減少には旧皇族の皇籍復帰で対応すべきだなどと説明した。
これに対し、中井氏は「男系をつないでいくのが大前提だが、(秋篠宮ご夫妻の長男の)悠仁さまの世代になったときに
どうするのかということは、われわれも考えないといけない」と指摘した。
http:// sankei.jp.msn.com/politics/news/120328/stt12032822470009-n1.htm


山内東大院教授「女性宮家は必要」=有識者ヒアリング
時事通信 3月29日(木)15時51分配信
政府は29日、皇室制度に関する2回目の有識者ヒアリングを行った。
山内昌之東大大学院教授は「女性宮家」の創設について、「皇室の発展や象徴天皇制の維持にとって必要だ」と述べ、
賛成の考えを表明。一方、女性・女系天皇の是非については「(結論は)将来の世代に委ねるべきだ」として慎重論を唱えた。
山内氏は「内親王、女王ばかりの現在の宮家は、すべて無くなる可能性が高い」との懸念を示した上で、
宮家創設の範囲に関して「昭和天皇と現天皇の血を引く方に限定すべきだ」と述べた。
具体的には皇太子さまご夫妻の長女愛子さま、秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま、次女佳子さまの3人が対象になる。
最終更新:3月29日(木)15時51分
http:// headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120329-00000081-jij-pol


皇室制度に関する有識者ヒアリング 東大・山内教授「女性宮家の設立必要」
「女性宮家創設」など、皇室制度に関する2回目の有識者ヒアリングが29日午後に行われ、山内昌之東大大学院教授らが意見を述べた。
有識者ヒアリングの中で、山内教授は「女性宮家の設立は、象徴天皇制の維持と発展にとって必要」と述べた。
また、個人的な意見として、「黒田清子さんの皇族復帰の可能性を検討する余地がある」とした。
続いて意見を述べた大石 真京都大学大学院教授は、「憲法上の観点から、婚姻後の女性皇族の身分保持とは、
宮家設立のことか、内親王などの尊称を認めることか、議論する必要がある」とした。
また、旧宮家から養子を迎える方法も考えられると述べた。
(03/29 17:34)
http:// www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00220199.html


女性宮家:活動は1代限り 政府、皇室典範改正で検討
女性皇族が結婚後も皇族の身分にとどまる「女性宮家」の創設について検討している政府は、
皇族として活動できるのは1代限りとする方向で検討に入った。
政府関係者が2日、明らかにした。女性皇族の子どもに皇族の身分を与えないことにより、
女性宮家の創設が女性・女系天皇の容認につながることを警戒する
反対論に配慮。皇位継承問題とは切り離し、天皇の公務負担軽減を図る必要最小限の皇室典範改正にとどめたい考えだ。
明治時代に制定された旧皇室典範(明治典範)では、女性皇族が嫁いで民間人になっても、
天皇の特別の意向により「内親王」「女王」の称号をそのまま有することができるとの条文(44条)があった。
明治典範の規定を参考に、皇籍離脱後も「内親王」の称号を残して皇室活動を続けられるようにする案も浮上。
この場合、女性皇族の夫は皇室に入る必要がなくなる。
現在の皇室は皇太子さま(52)より若い皇族12人のうち未婚女性が8人を占める。
女性が結婚後に皇族を離れる現在の皇室典範のままでは、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(5)が成人するころには
皇族数が極端に減る可能性がある。女性皇族が結婚後も公務を担えれば、公務負担を軽減することが可能になる。
具体的には皇太子ご夫妻の長女愛子さま(10)、秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま(20)、
次女佳子さま(17)の3人の内親王が結婚後も皇族活動を続けられるよう検討する。
05年に結婚し皇族から離れた天皇陛下の長女、黒田清子さん(42)の復帰が可能かも議論する。
政府は女性皇族の婚姻による皇籍離脱を定めた現在の皇室典範12条の改正へ向け有識者からのヒアリングを行っており、
秋までに結論をまとめる方針。
結婚後も女性の身分を皇族のままとするか▽皇族の身分を残す場合に「女性宮家」創設の形にするか
▽結婚後も皇族費を支払うか▽夫の身分や称号をどうするか
▽天皇から3親等以上離れた女王にまで適用するか--などが論点となっている。
野田佳彦首相は3月12日の参院予算委員会で、皇室典範改正について「125代まで男系で続いた
歴史的な重みを踏まえなければならない」と述べ、皇族減少の対策は「天皇、皇后両陛下の公務の負担を減らすと同時に、
皇室活動の安定化を図る観点に絞る。ずっと続く話でなく、緊急避難かもしれない」と答弁している。【野口武則】

◇内親王と女王
女性皇族のうち、歴代天皇の子供と孫を内親王(ないしんのう)と呼称し、ひ孫より遠い血筋を女王という。
皇室典範では内親王、女王ともに皇位継承権はなく、結婚すると皇族から離れると規定。
今の内親王は天皇陛下の孫の愛子さま、眞子さま、佳子さまの3人。
内親王だった長女の清子さんは05年に結婚して皇籍を離脱した。
三笠宮家と高円宮家の未婚の女性皇族5人は大正天皇のひ孫にあたり、女王の身分を持つ。
皇室経済法は年間に支出する女王のための諸経費(皇族費)を内親王の7割と定めて区別している。

◇皇位継承問題への踏み込みを回避
政府が皇室典範改正問題で、女性皇族が結婚後も1代に限り皇族活動ができるようにする方向で検討に入ったのは、
皇位継承問題にまで立ち入れば異論が噴出し議論をまとめられなくなることを懸念しているためだ。
女性・女系天皇につながる可能性がある「女性宮家」創設が焦点になれば、保守派が反発するのは必至。
内閣支持率が低迷する野田政権にとって、消費増税法案以外の大きな政治課題に取り組む余力はないのが実情だ。
ただ、女性皇族が結婚後も1代に限り皇族活動を続けても、秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さま(5)より下の世代の皇族は、
悠仁さまの子供だけになることに変わりはない。
長期的には皇族数が減少していくなか、悠仁さまに嫁ぐ女性には、皇位継承者としての男子誕生に過大な期待が掛かる懸念がある。
男系継承維持か女性・女系天皇容認かいずれの立場でも、皇位継承問題の議論はどこかの段階で避けられない。
支持率が高かった小泉純一郎首相は皇室典範の改正を試みたが、06年に断念。それ以降、改正問題は先送りが続いてきた。
今回も合意可能な「緊急避難」(首相)の改正にとどまり根本的な議論が先送りされる見通しだ。
政争に左右されず、皇族の意向も踏まえたうえでの、冷静な議論が望まれる。
毎日新聞 2012年4月3日 2時30分(最終更新 4月3日 8時29分)【野口武則】
http:// mainichi.jp/select/wadai/koushitsu/news/20120403k0000m040128000c.html


女性宮家は一代限り、子どもは皇族とせず…政府、反対論に配慮
政府が3日、女性皇族が結婚後も皇室にとどまるための「女性宮家」に関し
一代限りとする方向で検討に入ったのは、皇位継承問題に焦点が当たるのを回避し、創設への理解を得やすくするためだ。
政府筋は「女性皇族を残すための緊急避難措置」と位置付ける。
天皇陛下の公務軽減のためには皇族の減少に歯止めをかけなければならないというのは政府内で共通認識。
女性宮家創設の方向で議論が進むのは間違いない。ただ、父方に天皇がいない「女系天皇」の誕生を警戒する有識者らは
「女性宮家は、歴史上例のない女系天皇につながる」と強く反対している。
これに対し政府内には、女性宮家で生まれた子どもが皇族とならないと明確にすることで、
反対論者にも一定の理解を得られるとの期待がある。現在の皇位継承順位は皇太子さま、秋篠宮さま、
秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま(5)の順。女性宮家が創設されずに女性皇族が結婚して民間人になれば、
悠仁さまが成人したときには他に皇族がいない事態も想定される。
政府内には「そうなれば悠仁さまが寂しいだろう。姉の眞子さま、佳子さまが結婚しても
皇族の資格で皇居に出入りし、悠仁さまを助けてもらえるようにすべきだ」との指摘がある。
皇位継承問題について政府関係者は「悠仁さまに男の子が生まれれば何の問題もないし、
そのころに知恵を出せばいい」と先送りする考えを示している。
[ 2012年4月3日 11:39 ]
http:// www.sponichi.co.jp/society/news/2012/04/03/kiji/K20120403002968580.html


女性宮家創設 有識者2人が反対意見
4月10日 18時45分
女性の皇族が結婚後も皇室にとどまれる「女性宮家」の創設を巡り、政府の3回目の有識者ヒアリングが行われ、
10日に出席した2人の有識者は、皇室の本質を根本から変える女系天皇につながりかねないとして反対の意見を述べました。
3回目の有識者ヒアリングでは、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と、日本大学教授の百地章氏から話を聞きました。
このうち櫻井氏は、「女性宮家」の創設について、「長い歴史を持つわが国の皇室に、質的変化を生じさせる
制度の改正は厳に慎むべきだ。『女性宮家』の創設は、皇室の根本を変える女系天皇につながりかねず、反対だ」と述べました。
また百地教授も「男系男子で皇位継承されてきた伝統を踏まえれば、安易な女系天皇の容認は許されない。
『女性宮家』は、女系天皇に道を開く危険性を伴うもので反対だ」と述べました。
一方、「女性宮家」の創設によらず皇室を安定的に維持するための方策について、
櫻井氏は「男系の皇統を守りながら、宮家や皇族を増やすには、皇籍離脱した旧皇族に戻っていただくことも方策だ。
具体的には、皇室典範第九条を改正して、旧皇族からの養子を可能にすればいい」と述べました。
また、百地教授は「女性皇族が婚姻により皇籍を離脱したあとも、特例として『内親王』や『女王』などという
尊称を使うことを認め、天皇陛下を公的に支えられるシステムを構築することを検討すべきだ」と指摘しました。
政府は、今後も月1、2回のペースで一定の期間、ヒアリングを重ね、見解を取りまとめる方針です。
http:// www3.nhk.or.jp/news/html/20120410/k10014350501000.html


桜井氏ら「女性宮家」創設に反対=3回目ヒアリング
政府は10日、首相官邸で皇室制度に関する3回目の有識者ヒアリングを行った。
ジャーナリストの桜井よしこ、日大教授の百地章両氏が招かれ、両氏ともに皇族女子が結婚後も皇室にとどまる
「女性宮家」創設に反対する考えを示した。
桜井氏は、反対理由として「一般民間人との結婚を前提とした女性宮家創設は、
皇室の本質を根本から変える女系天皇につながりかねない」と指摘。
「男系男子による皇統維持」を求めた。女性宮家創設と皇位継承問題を切り離すとする野田政権の姿勢についても、
「(二つの問題は)表裏一体だ」と疑問を呈した。
百地氏も「『女系天皇』への道を開き、極めて危険だ」と主張した。 
http:// headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120410-00000084-jij-po


櫻井よしこ野田首相に申す
「皇室問題 順序が逆」
2012.4.12 03:04
野田佳彦首相が「緊急を要する」として設けた「皇室制度に関する有識者ヒアリング」に10日、出席した。
問いは大別して2点、ご高齢の天皇陛下のご公務をどう捉え、どう支えるか、悠仁さま成人の頃には女性皇族が結婚で民間人となり、
宮家がなくなる可能性もある中で、婚姻後の女性皇族をどう位置づけるかである。
たしかに天皇陛下のご公務は膨大で、ご負担は大きいが、ご負担軽減のために女性宮家創設という問題提起自体、順序が逆である。
日本の歴史上、天皇は一貫して最高位の祭主であった。歴代天皇は朝に夕に神々を敬い、徳を積まれ、
国家・国民を守ってこられた。歴史のほとんどの期間を権力から遠い存在としてすごされた大祭主としての天皇を中心に、日本人は穏やかな文明を育んだ。
ところが戦後、祭祀(さいし)は皇室の私的行為と見なされ、さらに近年、ご公務の負担軽減を理由として祭祀が簡略化されつつある。
これは本末転倒で、日本の国柄を否定するものだ。
女性宮家創設の前にご公務の再定義が必要である。まず歴史と伝統を大切にする意味で祭祀を最重要のご公務と位置づけ、
そのうえで国事行為や象徴行為を優先度によって整理する。
天皇陛下でなければ務まらない事柄を除いて、皇太子さまや秋篠宮さまに担っていただき、
その余の役割を女性皇族方に分担していただくのが本来の順序であろう。
女性皇族が担われるのは祭祀でも国事行為でもなく、象徴行為である。日本大学法学部の百地章教授は、
象徴行為には各省庁が両陛下にお願いするものが多いと指摘する。ご公務が膨大なのは、各省庁のお願いが過ぎるからなのだ。
ご負担軽減のためにはこの点から改めなければならない。
そもそも女性宮家創設に関する設問も矛盾している。政府は今回は女性宮家に限って論じ、皇位継承には触れないと言う。
だが、女性皇族が民間男性との結婚後も皇族として宮家を立てるなら、生まれるお子さまは女系皇族である。
そのお一人が即位すれば女系天皇になる。その時点で男系天皇を守ってきた2670年余の歴史が断絶する。
このように両者は切り離せない。従って私は、いま議論されている民間男性との結婚を前提にした女性宮家の創設には反対である。
専門家の中に、女性宮家は「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と規定した
皇室典範第12条の問題で、他方、皇統は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」という
第1条の問題なのだから、両者は別問題だという意見がある。
しかし、一連の議論で第1条が改正されない保証はない。
     ◇
現に国会で野田首相が皇室典範第1条と、皇統の世襲を定めた日本国憲法第2条に言及し、男系天皇永続には
歴史的な重みがあると確認したその眼前で、内閣法制局が世襲には男系も女系もあり得ると述べ、首相の考えを否定した。
第1条の改定がないとは言い切れず、女性宮家創設問題と皇位継承問題の切り離しは無理である。
女性宮家創設を皇位継承と切り離すために、女性宮家を一代限りにするとの意見もある。だがそれが無理なのは歴史が証明している。
1868年、明治政府は一代限りの皇族制度を設けたが、お子さま方が宮家を継承して皇族になる事例が続き、同制度は崩壊した。
親子を身分で分けて別々の存在にすることは実に難しいことなのだ。一代限りの女性宮家も同じことになるだろう。
だからこそ、婚姻後の女性皇族は日本の歴史にのっとって民間人となり、別の形で皇室をお支えするのがよい。
婚姻後もいきいきとご活躍いただくために、ご身分は民間ながら、内親王や女王などの称号を終身お使いいただき、
ご結婚後も格式などを十分に保てるような経済的支援を、これまた終身、して差し上げる配慮が必要だ。
女性皇族の活躍は皇室の未来に明るいエネルギーを注入するはずだ。
では、宮家が少なくなり、皇族が悠仁さまお一人になるような事態にどう対処するのか。
これも歴史に学ぶのがよい。
わが国は年来皇室の本質を変えることなく、その時々の問題に柔軟に対処してきた。皇族が多くなりすぎたとき、
一部を臣籍降下させた。皇族男子の降下は明治21年に始まっており、大正9年には皇族が多すぎることは
皇室の尊厳や皇室財政上「喜ぶべきに非ず」として皇族の臣籍降下に関する内規を定めた。
先人たちは皇室の健全な存続を願って英断を下してきた。
だが現在、状況はかつてとは正反対だ。
皇族が多すぎた時代から極めて少数になる初めての局面に、私たちはいる。状況が正反対なら、対処も正反対であり得る。
皇籍離脱ではなく皇族復帰がよいのである。皇統の安定と男系天皇の維持という大目的のために、必要なのは賢く大胆な方策である。
まず、皇室典範第9条を改正して養子を可能にする。昔は皇室も宮家も養子をされた。
昭和天皇も昭和6年、皇室典範を改正して養子をされることをお考えになった。第9条改正に反対する理由はない。
臣籍降下なさった男系男子の旧皇族方で、皇族復帰にふさわしい暮らしをしてきた方々に養子あるいは家族養子となっていただく。
または新宮家をたてて皇族に復帰していただく。
こうして復帰なさった皇族方と、内親王や女王もしくはそのお子さま方とのご結婚が将来、万が一にも成立すれば、
二重三重の慶賀となるのではないか。
http:// sankei.jp.msn.com/politics/news/120412/plc12041203050003-n1.htm


女性宮家 ヒアリングの要旨
2012.4.23 18:26
▽市村真一・京都大名誉教授
【女性宮家】皇室活動を維持するためには緊急策と中期策、長期策に分けて考えるのが適切。
緊急の方策として女性宮家の創設や、皇籍を離れた内親王や女王が称号を保持できるような法改正に賛成する。
【旧宮家の復帰】旧皇族の皇籍復帰を認めなかった明治の皇室典範増補などを踏まえると、
中期の問題として慎重に検討する必要がある。数次の典範改正を検討する調査会を設置し、時間をかけて討議するべきだ。
【養子制度】明治、昭和の両典範とも養子を禁止しているが、歴史上いかなる家も養子をしなければ断絶してしまっている。
養子を可能にする制度をつくらないといけない。欠陥のある皇室典範を直さなければならないが、
それには専門家による真剣な議論と、心からの愛国心が必要だ。
▽笠原英彦・慶応大教授
【女性宮家】宮家とは本来、皇位継承資格者を確保するために設けられるもので、
皇室のご活動を維持するために創設するべきではない。女性皇族お一人お一人に活動を分担していただけるような方策で十分。
ただ、女性宮家創設には賛成も反対もあり、私も特に反対しているわけではない。
【配偶者の身分】女性皇族の方々には婚姻後も皇族の身分を保持していただくことが必要。
その際、配偶者も子供も皇族としないのがよい。そうすれば皇族費などが不要となり、財政負担を軽減できる。
女系天皇が生まれることも一般男性が皇族になることもない。
【皇位継承】女性宮家創設と皇位継承問題は切り離せない。今回の法改正は皇室活動の維持が目的なので、
決して皇位継承問題に影響が及ばないよう強く配慮を求めたい。
htp:// sankei.jp.msn.com/politics/news/120423/plc12042318280013-n1.htm


「旧皇族の復帰、難しい」園部内閣官房参与 首相答弁と食い違い
2012.5.22 00:49
女性皇族がご結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」創設に向け、政府が21日に開いた
「皇室制度に関する有識者ヒアリング」の第5回会合で、主催者側の園部逸夫内閣官房参与は、
賛同の意見がある旧皇族の復帰について「なかなか難しい点がある」と述べ、今回議論している皇室典範改正では
実現が困難との見通しを示した。島善高・早稲田大教授(法制史)の意見陳述に「私見」として述べた。
野田佳彦首相は2月13日の衆院予算委員会で、旧皇族の皇籍復帰の検討を求められたのに対し、
「有識者を中心にヒアリングを行う。指摘の点も含め、提起をもらいながら結論を出す」と
旧皇族の皇籍復帰も検討する意向を示していた。園部氏のヒアリングでの発言は、首相の答弁とは食い違う形となる。
政府は2月から始まった有識者ヒアリングについて、「皇室活動の安定性の維持」や
「天皇、皇后両陛下の公務負担の軽減」に向け、「議論は女性宮家の創設に絞り、皇位継承には踏み込まない」としている。
園部氏は、島氏が旧皇族が皇位継承権を持つ形で皇籍復帰することを求めたのに対し、
「皇位継承資格を持つということになると、(今回は)なるべくそこを避けたいので、なかなか難しい」と述べた。
園部氏は元最高裁判事で、平成17年に小泉純一郎首相(当時)のもと、女性・女系天皇を容認する報告書をまとめた
「皇室典範に関する有識者会議」で座長代理を務めた。同報告書は旧皇族の皇籍復帰について
「現天皇陛下との共通の祖先は約600年前までさかのぼる遠い血筋」などとして、「採用は極めて困難」と結論づけていた。
この日のヒアリングでは島氏のほか、小田部雄次・静岡福祉大教授(日本史)が意見を述べ、
小田部氏は女性宮家の創設に賛意を示した。
島氏は、女性宮家創設について「夫や子の身分をどうするかや皇位継承権の問題が生じる」と指摘し、
旧11宮家の復帰や、男系男子を養子に迎えられるようにするための皇室典範の改正を求めた。
■皇室制度ヒアリング要旨■
▽小田部雄次・静岡福祉大教授
【女性宮家】内親王や女王が(現存の)宮家を継承する方法と新宮家を創設する方法があるが、
できるだけ皇族方の数を増やさないほうがよい。女系天皇に道を開く危惧があるというのであれば、
(当主の)夫や子は身分を皇族としない方法もある。
【旧皇族の復帰】子孫の方々の多くは出生時に皇族ではなく、一般国民として生活してきた。
皇籍離脱のときに生まれていない方まで「皇族復帰」とするのは無理がある。
【皇位継承】現皇室典範では悠仁親王が皇位を継がれることになる。個人的には長子相続を重視するほうがいいと思うが、
それは将来の課題としたい。
▽島善高・早稲田大教授
【女性宮家】方法としてはあり得るが、(当主の)夫や子の身分をどうするかや皇位継承権の問題が生ずる。
皇室典範改正に向け、国会ですんなり合意するのは難しく、今回の議論からは省いたほうがいい。
【旧11宮家からの養子】国民にとっては養子は当然の権利なので、皇族方にもあっていい。
旧11宮家の男系男子から、本人の意思や皇族方のご意向を踏まえ、養子を迎えられるようにしてはどうか。
【尊称の付与】女性皇族にご結婚後も皇室関連の活動をしていただくため、「内親王」「女王」の
尊称を認めることも考えられる。旧皇室典範ではその規定があった。
http:// sankei.jp.msn.com/politics/news/120522/plc12052200520001-n1.htm


  • 最終更新:2017-02-22 19:29:42

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