友人4人が語る陛下の素顔

「皆に公平」若い頃から 友人4人が語る陛下の素顔
2013年12月23日05時09分
天皇陛下をよく知る4人の友人に「素顔」の陛下について語ってもらった。

■座談会に出席した方々
 明石元紹(あかし・もとつぐ)さん(79) 学習院初等科~高等科で同級
 真田尚裕(さなだ・なおひろ)さん(80) 学習院初等科~大学まで同級
 織田正雄(おだ・まさお)さん(79) 学習院中等科で同級
 織田和雄(おだ・かずお)さん(78) 天皇陛下の2学年下で、テニス仲間
     ◇

――最近、陛下とお会いになりましたか
【明石】今年9月、学習院大学で行われた同大と早稲田大学との馬術定期戦でお目にかかりまして、
私が皇后さまのお相手をいたしました。学生の馬が障害を飛び越える競技をご覧になりましたが、
皇后さまには「これぐらい陛下は平気で飛んでましたよ」と伝えました。
プライベートでは、お忙しいご公務の中ですから、
お時間をとっていただいて昔の話をしてもしょうがないだろうなと遠慮しています。

【真田】私が理事長を務める「将棋を世界に広める会」の会報を年に3回ぐらいお送りしています。
読んだよ、という返事が始めはきていたんだけど、最近こなくなりました。
読んでないんじゃないかな(笑)。我々の同級が侍従にいた頃は割合にツーカーだったんだけど、
最近は侍従さんも若くなってよく分からなくなった。

【明石】陛下が外国訪問される際、友人と2人で御所でのお見送りとお出迎えを続けていました。
だけど、ラトビアに行かれる時だったかな、「もういいよ、今度は学術関係で行くんだから」と
直接ではないけどうかがって、それでやめました。

でも、この間の英国訪問(昨年5月)は、心臓手術直後でしたから心配になって、
こちらからお願いして、お見送りに行きました。
僕から見ると、体はお痩せになったかなと。お顔は変わらなくて、むしろふっくらされているけど。

――お疲れは見えますか
【明石】気力がすごいから。見せませんよね、そういうのを。
【真田】私は、昔よりちょっと太られたと感じました。普通の太り方じゃないんじゃないか、
と心配しています。薬を飲むと太ると言いますよね。
【織田(和)】お元気だと思いますが、真田さんが言ったように、むくみもおありになるなと感じます。
明石さんも言いましたが、陛下はものすごい気力で、人々のため、日本国民のため、
世界のためにという思いが強くいらっしゃるので、相当頑張っておられるなと思います。

――テニスのプレーはどうですか
【織田(和)】一生懸命なさいますよ。(時折両陛下がプレーする)東京ローンテニスクラブの新しい会員が、
天皇陛下のテニスを初めて見ると相当びっくりしますね。そんなにお上手なんですか!と。
テニスをなさっている時が一番私的で、楽しい時間でいらっしゃるようです。
【織田(正)】すごい負けず嫌いですね、小さい頃から。負けると、もう一回やろうって。

――昨年、天皇陛下は心臓手術を受けました
【明石】一番難しいところですから、心臓は。我々の友だちだって、なかなかあれだけの手術を受けた人はいない。
無事に終わるよう心配していました。

――毎朝の散策など健康管理も続けています
【明石】なぜ健康保持に一生懸命かというと、やはりご自分の責任ある立場を踏まえて、
国民のためにちゃんと果たしたい。そのためにご自分を鍛えていらっしゃると思います。

――2009年に行った座談会では、「陛下が心から笑っていないようで気になる」とみなさん話していました
【真田】写真機を向けると顔が変わるんです。プライベートな時間はともかく、
公式な写真はどれも同じ顔をしていますよね。カメラ向きの顔になっちゃう。

――それは小さい頃から?
【真田】そうそう。だから、ふざけてきゃっきゃ騒いでいる写真なんてめったにない。
【明石】僕はそういうところしかお相手してない。和雄さんはよく知っていると思うけど、皇后陛下は割合、
我々とお話しする時は活発に、フランクになさります。だけど、陛下は、やはりお立場か習慣なのか、
我々と会っても馬鹿笑いされることはない。
【織田(正)】陛下は若い頃から「自分は1億全員のための天皇だ。
必ずみんな公平に扱わなければならない」と常におっしゃっていました。
人と人の間に差別があってはいかん、等しく相対すると。
例えば修学旅行で汽車に乗って、みんなでワーワーやっていた時も、陛下は駅を通過する度に、
きちっとお立ちになってあいさつされていた。そういう時はまじめな表情をされて。
駅を過ぎたら、またワーワーとみんなとね。

――友人の前だけで見せる表情ですね
【織田(正)】それはありましたね、気を許されて。
でも、基本的には「日本人1億人の全てに公平でなければ」とよく言っていました。
【明石】ご結婚後、皇后さまのお気持ちが強かったと思いますが、
我々も単なる友達というより「ゲスト」として扱っていただけるようになりました。
門のお巡りさんまで、単なる門番じゃなく、お客様を迎える感じに変わったような気がします。

――依然として多くの公務をこなしています
【明石】日本のためになることを一生懸命やろうという、気力、お気持ちは非常に強いでしょう。
(先日訪問した)インドは暑かったでしょうが、陛下は元々暑さに強いですから。汗をあまりかかない。
それは修行もあると思いますが、乗馬でもあまり汗をかきません。
【織田(正)】そうだね、テニスでもそんなに汗をかかない。タオルでごしごしというのはなかった。
【明石】我々の年になると、ちゃんと背広を着ることだってなかなか苦労する。
陛下は正装なさって、ちゃんと革靴履いて、きちんと立たなきゃならない。
【真田】公務が多すぎるんです。我々がみんな隠居する時に、現役になったんですから。
楽にならないで、どんどん公務が増えている。そりゃ疲れます。公務を減らさないといけない。
【明石】ただ、陛下の性格から言えば、元気なうちはできることは何でもやる。
それがまた張りにもなっている。真田さんが言うように取り上げちゃうと、具合が悪いと思います(笑)。
随分前から、いろんな行事を皇太子さまにだんだん譲っている、とは言っておられましたが。
【織田(正)】陛下は記憶力がすごいですね。毎日のように色々な人に会って、
どういう質問をするか事前に勉強している。学生時代から感じていましたけど、
あの記憶力はすばらしいですね。うっかりしたことを話すと、そうじゃないって言われる。
【明石】お二人そろってそうです。
【織田(和)】皇太子さま時代、美智子さまに電話でお話しになった一番重要な部分は
「公務が先で、私事は後だよ」と。その信念は今でもずっと続いておられるし、
皇后さまもよく分かっていらっしゃる。

――東日本大震災の時は御所で節電されました
【明石】真田と一緒に戦争中疎開をしていました。我々の世代は戦争を少しでも体験していますし、
戦後の情けない日本、物資が何もない日本を見ています。陛下はそういう苦労をなさるということに、
負担を感じていらっしゃらないんじゃないかと思います。
【織田(正)】宮中祭祀(さいし)も年に何十回もあるんですよね。
【明石】皇太子さまは祭祀にすごく熱心だと聞きました。非常に芯のしっかりした方で、
次をお任せするには立派な皇太子さまだと思っています。
【真田】皇太子さまが三つか四つぐらいの時、将棋を覚えたから教えに来てくれと言われた。
東宮御所に行って、敷物の上に将棋盤を置いてやりましたが、相手が覚えたてだから。上手も下手もない。
一回教えてからうまくなるというものでもないので、その一回きりでした。
陛下に「最近皇太子さまは将棋やってますか」と聞いたら「やっていないよ。山には登っているけど」と(笑)。
【明石】先生が悪い(笑)。
【織田(和)】陛下がテニスをなさる時間を皇后さまはなるべくたくさん作ってさしあげたいと思っています。
皇后陛下としては、天皇陛下がテニスをやられる機会が多いといいなと。唯一のプライベートな時間のようです。

――陛下は何か悩んだり、深く考えたりしていることはありますか
【明石】皇統の問題を深く考えていらっしゃると思います。我々が想像できないぐらいに。

――これまで陛下が悩みを打ち明けるようなことはありましたか
【織田(正)】ないですね。
【明石】悩みを打ち明けるような相手じゃありませんからね、僕ら。
【織田(和)】諭されたことはあります。コンピューター時代でワープロが入ってきた時、
私が「漢字を忘れていくのではないか、インターネットを悪用する人がでてくるんじゃないか」と気になっていて、
その話を申し上げたら陛下は「人間には知恵がある。必ずそれを克服するんだよ」と。
すばらしい話で、まいりました。そういうふうにお考えなんですよね、前向きに。
【明石】次の世代については、やはり次は次だと。僕たちの時代は僕たちの時代なんだから、
皇太子殿下の信念というか、考え方でやるんだよと。それはちらっとおっしゃいましたね。
【織田(正)】気のつかい方はすごいですね。昔、葉山御用邸に行く時に、御所から車で行くと、
沿道にずらっと警備が立っていた。それをご覧になって、「ああ、しょっちゅうは出られないな」と。
非常に遠慮されますよね。
【明石】最近御所に上がった時に感じたのは、やはり、ご遠慮がすごい。
だから、自分の学校の友達を集めてクラス会やるにも、警備はいるし、
色々なところに迷惑がかかるわけです。やりたくても、色々と気をつかっていらっしゃる。

――自らの葬送について簡素化を希望された
【織田(和)】想像するしかないですが、陛下、皇后さま、皇族方は質実剛健です。
以前、アメリカのブッシュ大統領とテニスをご一緒した時、大統領が女子選手を連れてきました。
彼女は両陛下にラケットをさしあげたが、両陛下はそれを本当に大事に、長い間使っておられました。
陛下と皇太子さまと4人でテニスをしたことがありました。その時の皇太子さまのウエアが
4年前ぐらいのモデルで、見た人が「皇太子さまがこんな古いウエアを召されているんですか!」と驚いたんです。
新しいものをどんどん、ということはなさいません。御陵にしても、
国民の負担になるべくお金がかからないようにと考えたんだろうと思います。

【明石】陛下は科学者でいらっしゃるから、あまり合理性のない、大げさなお墓は希望されないでしょう。
私も以前、結婚のお祝いに乗馬ズボンの生地を2着分さしあげた。
その後、乗馬ズボンはどんどん形も変わったが、陛下は馬をおやめになるまでそれをはいていらした。

――陵は合葬ではなくお二人別々になりました
【明石】歴代の方が一緒に入っていないわけだから、皇后さまのお立場としては一緒に入るのは
申し訳ないと思われたのでしょう。古いものを残すことと、新しいものに変えること、
その取捨選択は難しいんですが、お二人は非常にお上手にやっていらっしゃるように感じます。

――80歳を迎えた陛下に改めてメッセージはありますか
【織田(正)】私は年賀状を陛下にさしあげるなんてことはなかったけど、
今回ははがき一枚、届けようと思っています。簡単に、インド訪問お疲れ様でした。
いつもうれしく拝見しています、と。激励したいなという気持ちです。
以前、「宮城(きゅうじょう)、天皇陛下」とだけ書いてポストに出したら届いたことがありました。
陛下笑っておられたそうですが。
【真田】昔より菊のカーテンが厚くなりました。中学1年生だった小金井の時が一番薄かったよね。
陛下が店の本屋に行って立ち読みも出来るかな、という雰囲気でした。
【織田(和)】陛下、皇后陛下の思いとすれば頑張るのだと思いますが、少しは無理をされないで、
少しテニスでも楽しまれる時間をおつくりになってほしいと思います。
【真田】プライベートな時間が少ないですよね。生まれた時から皇太子だったという話はありますが、
それが重荷になってはいないんですよね、ご本人は。肉体的には疲れているはずです。
でも、この年になったら休まないといけない。皇太子と天皇とでは2対8ぐらいで大変ですよ。
【明石】ほっとする時間は少ないですよね。陛下が、これだけはしたい、
あそこだけは行きたいということに絞っては。それは、戦争犠牲者みたいなところの慰労であろうし、
災害の慰労であろうし、困っている人たちに声をかけたいということかもしれません。
http:// www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312220207.html

  • 最終更新:2017-02-22 20:16:16

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