スズムシ献上

皇室にスズムシ届け半世紀 埼玉・熊谷農高、3万匹飼育
【川崎卓哉、北野隆一】きっかけは、昆虫に興味を持つ浩宮時代の皇太子さまにスズムシを贈ったこと。
以来49年間、埼玉県立熊谷農業高校の生徒たちは毎年、県を通じて皇室にスズムシを届けてきた。
宮内庁によると、生き物を献上する学校は全国で唯一。
50回目の今年も12日、計370匹を皇居と東宮御所、秋篠宮邸に贈る。
同校によると、献上が始まったのは1964年。皇太子さまは4歳だった。
学習院大の教授から、教え子だった熊谷農業高校の教諭に打診があったと伝えられる。
当時の知事と校長、養蚕部の顧問教諭、生徒代表2人が、県警のパトカーの先導で東宮御所に届けた。
18年ほど前までは、近親交配を避けるため、荒川河川敷で野生の虫を捕まえ、飼育する虫と交ぜて献上していた。
41年前から指導している朝比奈永晋(えいしん)教諭(60)は「あちこち蚊に刺されて大変だった」と振り返る。
採集中に警察官から職務質問されたことも。
スズムシを飼う近隣の家からもらい受けて飼育の虫と交配させるようになった。
現在は生物生産工学科の生徒16人が約3万匹を世話している。餌は校内の畑で有機栽培したナスなど。
献上する個体は、脚が折れぬよう、鳥の羽根をスプーンのように使って、細心の注意を払って取り分ける。
生徒たちは毎年、スズムシを入れる水槽の側面に、水で溶いた色違いの砂や土を付着させ、
皇室や世の中の出来事にちなんだ砂絵を描いてきた。
今年は吉田涼平さん(3年)が東宮御所に届ける水槽にハトを描き、「祝献上50周年」と記した。
「ハトは平和への願いを込めました。すごい歴史に加わることができて誇りに思う」
献上が縁となり、73年からは毎年卒業生1~2人が皇居の紅葉山御養蚕所で皇后さまの蚕の世話を手伝っている。
勤勉さが評価され、82年からはほぼ毎年1人が宮内庁職員として採用されてきた。
朝比奈教諭は来年3月末、定年を迎える。
「県内の農業高校に教え子がたくさんいる。引き継いでくれると思っています」

■熊谷農高、スズムシ献上の歩み
1964年 現在の皇太子さまのために250匹を東宮御所へ
  73年 香淳皇后による養蚕の助手として、卒業生2人が初めて紅葉山御養蚕所へ。
      最終日の翌日、2人が「『熊谷農業高校の生徒は勤勉で素直』と
         (香淳皇后から)褒めていただいた」と学校に報告
  78年 昭和天皇、香淳皇后の所望で、初めて皇居にも贈る
  82年 卒業生1人が初めて宮内庁職員に採用される
  92年 天皇、皇后両陛下の初の中国公式訪問に先立ち、ケースにパンダの砂絵を描いて皇居に贈る
  93年 皇太子さまと雅子さまが結婚。鶴の砂絵を描き、贈る
      天皇、皇后両陛下が訪欧。帰国後、「鈴虫の音に迎えられ、心が和む思いです」との
          両陛下のお言葉が宮内庁から県を通じて学校に伝えられる
2001年 皇太子ご夫妻の長女愛子さま誕生。雅子さまの安産を願い、ゾウの親子の砂絵を描いた
  05年 天皇家の長女紀宮さまが結婚。砂絵は十二ひとえ
  06年 秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さま誕生。健やかな成長を願い、桃太郎の砂絵を描いて秋篠宮邸に贈る
  07年 熊谷で40.9度の国内最高気温(当時)を記録。
          暑さでスズムシの成長が早まるのを抑えるため、卵を冷蔵庫に入れて孵化(ふか)を遅らせた
  11年 東日本大震災。被災地復興を願い、「福」「幸」と書かれた宝船の砂絵を描いた
  13年 50年目の献上へ
(熊谷農高の資料などから)
http:// digital.asahi.com/articles/TKY201309110048.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201309110048

皇室にスズムシ献上、50回目 熊谷農高生が夏休み返上で世話
2013年8月20日(火)
涼しげな鳴き声で秋の訪れを知らせるスズムシ。
熊谷市の県立熊谷農業高校(大谷真一校長、生徒数782人)では毎年、生徒たちが育てたスズムシを皇室に献上している。
1964年から始まり、今年が50回目の節目。
スズムシはもちろん、皇室に「生きた動物」を献上している学校は全国で同校だけという。
9月上旬の献上に向け、生徒たちは夏休みを返上してスズムシの世話に当たっている。
同校によると、スズムシを献上するようになったのは現在の皇太子殿下が幼少のころ、虫に興味を持たれたのがきっかけ。
皇室とつながりの深い学習院大を通じて要請を受け、毎年9月に献上している。
生徒たちも同行し、秋篠宮殿下から「毎年ありがとうございます」と感謝のお言葉をもらったこともあるという。
同校で飼育しているスズムシは100ケースに計約3万匹。
生物生産工学科の実習で、実験動物を扱う資格取得のために育てている。
皇室に献上するのは天皇陛下、皇后陛下、皇太子ご一家、秋篠宮ご一家に計4ケース。
特に元気な485匹を振り分ける。
現在は全て同校で繁殖させたスズムシだが、18年ほど前までは荒川河川敷で野生の個体を捕獲していた。
長年指導に当たってきた朝比奈永晋教諭(60)は「スイカを置いてスズムシをおびき寄せて捕まえたが、
泊まり込みの作業で大変だった」と振り返る。
世話をしているのは2、3年生計15人。餌は生徒たちが有機栽培で育てたナスのほか、
煮干しやかつお節を与えてカルシウムやタンパク質の摂取を促す。
気温が上昇するとスズムシが早死にするため、飼育室の温度管理も徹底。
ケース内にクモなどの外敵が侵入していないか、常に監視を怠らない。
気の抜けない日々が続くが、苦労した分だけ、立派に成長した時の喜びもひとしお。
3年生の吉田涼平さん(17)は「卵から育てたスズムシたちが大きくなって、
最初の一匹が鳴き声を上げた時が一番感動する」と語る。
同校は侍従職を多く輩出している学校としても有名で、現在、約17人が宮内庁に勤務している。
3年生の大沢はづきさん(17)は「卒業生がたくさん働いているし、皇室は身近に感じる」といい、
「昨年よりよく鳴くスズムシを届けて、季節の移ろいを感じてもらいたい」と意気込んだ。
http:// www.saitama-np.co.jp/news/2013/08/20/09.html


(2007年)
読売
皇室へ「秋の風情」献上/44年の伝統
龍の神秘的なイメージが皇太子さまのイメージと重なった
青銅製で屋根のついた高さ約90センチある箱は皇太子さまの東宮御所に、
プラスチック製の他の3箱は天皇、皇后両陛下と秋篠宮さまに献上する。
「天皇、皇后両陛下には当時、奈良県から鈴虫が献上されていたという。
そこで東宮御所に献上することになった」
 (中略)
やがて天皇、皇后両陛下や秋篠宮家にも献上するようになった。
昨年は献上の際、秋篠宮さまから「毎年ありがとう」と声をかけられたという。

  • 最終更新:2017-08-26 08:29:12

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