これまで3度の頓挫!宮城県警が困惑!

週刊新潮2013年7月25日号
これまで3度の頓挫!宮城県警が困惑!
「雅子さま」8月20日の被災地ご訪問
皇太子ご夫妻の被災地ご訪問が実現すれば、2011年夏以来のこととなる。
それが、このたびの宮城県行啓を巡っては文字通り二転三転、実に目まぐるしい展開があったのだ。
その経緯を、宮内庁担当記者が振り返る。
「5月のオランダご訪問に先立ち、4月にいったんプランが浮上したのですが、
この時は宮内庁と県側とが詳細を打ち合わせる前に、あっさりと立ち消えになってしまいました」
その後は5月28日、続いて6月18日と、具体的なスケジュールが組まれたものの、
いずれも期日近くになって内々に取り止められてきた。
「理由はもちろん、雅子さまのご体調が思わしくないことに尽きます。それでも東宮職は、
『ご訪問は正式に発表したわけではなく、よって延期やキャンセルにはあたらない』との“見解”を繰り返してきたのです」(同)
そうした建前はさておき、現地では少なからず支障が生じているのだ。
「往復の交通手段の確保はもちろんのこと、お迎えする自治体や宮城県警も、
態勢を一から整え直さなければならなくなります」とは、宮内庁関係者だが、
実際に警備を担うことになる宮城県警のさる関係者も、こう漏らすのである。
「そもそもは4月の両殿下ご来県に備え、3月中旬から県警本部内に警衛警備対策室を設置、準備を進めてきたのですが…」
とりわけ、“6月18日案”がもたらされた際には、「5月中旬の早朝、私服警官が警察学校に集合し、
実際に配置予定地を視察する訓練が行なわれました。その後は警察庁が作成した、
およそ40分にわたる警衛の要諦をまとめたビデオを、担当警官だけでなく一般職員まで視聴するほどに機運が高まっていたのです」(同)
加えて、本番直前には夜明け前の大がかりな模擬訓練も予定されていたという。
が、せっかく徐々に練り上げられてきた計画も、
「6月7日に『無期延期』との通達があり、すべて白紙に戻ってしまいました」(同)というのだ。
以降、今に至るまで目途は立たず、その間、両陛下は7月4日から岩手県をご訪問。
また今月22日からは「私的ご旅行」という形をとりながら、福島県へ行幸啓される予定である。
秋篠宮ご夫妻もまた、5月に福島を見舞われた折、仮設住宅をはじめ、放射性物質の検査施設などをお訪ねになっていた。
結果、皇太子ご夫妻のみが懸案を抱え込まれたまま、盛夏に突入してしまった格好なのだ。
その矢先、またまた新展開が―。さる警察庁関係者が明かす。
「ご夫妻は、8月20日に宮城をご訪問なさる予定で調整が進んでいます。宮内庁からの連絡を受け、我々もすでに県警に通達を済ませています」
とはいえ、今回はいささか趣を異にするようで、「再三にわたって延期を繰り返したため、もはやその余地はない状況です。
万が一、雅子さまにアクシデントがあってお出ましが叶わない場合でも、
今度ばかりは皇太子さまお一人で行啓される、との意向が宮内庁から漏れ伝わってきています」(同)
両陛下はもちろん秋篠宮ご夫妻も然り、ご夫妻揃って被災地をお訪ねになることが、
これまで現地の人々の大きな励みになってきたはずである。その“大前提”が脆くも崩れかねないのだが、
それというのも、「対策室を立ち上げたからには当然、予算が組まれているわけです」とは、警備に携わる宮城県警幹部である。
「6月ご訪問を見越して作った警備計画書は刷り直さねばならず、これだけで数百万円かかる見通し。
他にも、沿道で注意を促すための立て看板などを用意し、また文書を携行するためのストラップ付きホルダーや
雨合羽なども、すでに大量購入しています」
ご夫妻のお出ましは延期続きでも、春先から予算は確実に消化されているわけだ。こうしたことから、
「東京のほうで“速やかに実現を果たさなければ、費用だけがかさんで事態の取捨が図れない”との判断に至ったのでしょう」(同)というのである。
もっとも、しわ寄せは現場へ向けられるのが世の常。本職の皇宮警察とは異なり、
宮城県警は通常任務のほか、ただでさえ選挙対策でてんてこ舞いのところ、
「県警にはおよそ4000人強の職員がおり、6月から9月の間、各自が順繰りに10日前後の
夏季休暇をとることになっていたのです」(前出・県警関係者)
今回は、さる10日に突然“通達”がなされたという。仕事柄、不測の事態には慣れているはずの彼らでも、さすがに戸惑いは隠せないようで、
「8月20日には、毎年恒例の『広瀬川灯ろう流し』が催されます。この所轄は県内有数の大規模署である
仙台南署で、当日はイベントにかかりっきり。ご夫妻の警備には人が割けません。そこで急きょ、
当初は要員に入っていなかった東北管区の機動隊100人ほどを充てられるかどうか検討を始めました。
いずれにせよ、警備部や交通部は夏休みどころではありません」
現在のところ、当日のご夫妻の行程は、
「午前中に東北新幹線で仙台にご到着、えきまえから専用車で長町インターを経由し、
仙台港北インターで降ります。目的地は面積の4分の1が浸水し、100人以上が犠牲となった七ヶ浜町。
ここで仮設住宅を訪問されて被災者と懇談なさり、また町内の高台に立つ複合施設「国際村」にて、
県知事と会談されることになります」(前出・宮内庁関係者)
これは、6月に予定されていたルートのままだという。それでも、わずか2ヵ月のブランクながら、
前回の「蓄積」は生かされず、計画は一から練り直しというのだ。
「道路のチェックは言うに及ばず、ルート上に新たにできた建造物、また反対に取り壊された家屋など、
すべてもう一度確認しなければならない。これは不審者対策でもあります。
さらに、ご訪問が予定されている仮設住宅の“調査”も不可欠。ご夫妻がお声掛けをなさる際、
くれぐれも「あらぬ事態」が生じないよう、住民の人となりを入念に調べておくわけです。
仮設は入れ替わりが激しいため、6月に行った調査は参考になりません」(同)
3月下旬のことである。ご一家が長野へスキー旅行に行かれた際、東京駅で雅子妃に「税金泥棒」などと、
心ない中傷を浴びせる男性がいた。状況は異なれど、大切なものを失って仮住まいの日々を送る被災者にも、
神経を使わざるを得ない場面も、或いはあるだろう。
皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。
「通常、“延期”といえば長々と日を置かないのが常識でしょうが、そんな表現を用いながら
ご訪問を先延ばしにする宮内庁や雅子妃に対し、疑問の声が上がるのは無理もありません。
まして震災から2年半、未だ厳しい生活を強いられている被災者の方々は、
一般国民よりもシビアな眼を持っているはずです」
先月末、山梨ご訪問を直前で取り止めらた雅子妃は、異例の弁明メッセージを出されたのだが、
「やむを得ずひねり出された、苦肉の策でしかありません。ご自身が直接現地へ足を運ばずして、国民は納得しないと思いますよ」
現地でのお振舞いはさておき、お出ましそのものが重い意味を孕んでいる―
そう指摘するのは、文化学園大学客員教授で皇室ジャーナリストの渡辺みどり氏である。
「このところ、震災の流木を使ったビオラの演奏会や菊栄親睦会など、雅子さまのお出ましが相次いでいます。
とりあえず出来ることから実現していこう、というお気持ちの表れだと拝察されますが、
前もって期日が定められると、またご体調に障りかねないという懸念はあります。
そこで一歩勇気を出されて、ともかく体を運んで頂くだけでも、被災地へのお気持ちは十分伝わります。
ご体調が優れず、たとえ現地で倒れられるようなことがあっても、かえって誰もが有難く感じることでしょう」
この夏、被災地への想いが、まさに問われようとしているのだ。

  • 最終更新:2017-07-01 15:57:33

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